【文庫本】田中芳樹+らいとすたっふ(2000)『アルスラーン戦記読本』角川書店
※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。
作品情報
著者:田中芳樹+らいとすたっふ発行年月日:2000年5月10日
出版社:角川書店
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感想
★★★★★図書館本
ダリューンの絹の国での恋を描いた外伝があると知って、他市の図書館から取り寄せてもらいました。
外伝以外に、著者の田中先生のロングインタビューや『アルスラーン戦記』の用語・人名事典も収録されていて、読み応え抜群の一冊でした!
それにしても田中先生……
インタビューで「魔法というものは極力排除しようとした」、「『歴史の中で、人間の営みを多少攪乱する』というていどの役割しか、魔術に期待してない」と語っておられたのに。
あの第二部はどういう心境の変化があったのか非常に気になります(;^ω^)
「悲しい話は書いても、後味の悪い話は書きたくない」、「死ぬ人にも必ずそれにふさわしい最期を用意したい、死に花を咲かせてやりたい」とかもね( ;∀;)
でもキャラ作りのテクニックは興味深かったです。
「相手から百発殴られてじっと耐えている人や、相手が何もしないのにこちらから百発殴りつけるというような人は、エンターテインメントのキャラクターとしてあまり読者の共感は得られない。百発殴られて、殴り返すのを九十九発でやめるやつと、百一発殴るやつ、それを対比させるとキャラが引き立つんじゃないか」という話。
なるほど、こういう考えでキャラが作られているから、どのキャラもそれぞれに魅力があるんだな~。
目当ての外伝小説も面白かったですよ。
てっきりダリューンの想い人は、深窓の令嬢タイプかと思っていたので意外ではありましたが。
「ずっと絹の国にとどまりたかったのではないか」と訊くアルスラーンに、「私の現在も未来も、パルスにのみございます」と言い切ったダリューンのカッコよさよ!
そして、その言葉に嘘はないけど、それが全てではないことも感じ取っているアルスラーン。
切なくて美しい、ダリューンの絹の国での物語でした。
↓「アルスラーン戦記」シリーズ感想
『王都炎上:アルスラーン戦記1』
『王子二人:アルスラーン戦記2』
『落日悲歌:アルスラーン戦記3』
『汗血公路:アルスラーン戦記4』
『征馬孤影:アルスラーン戦記5』
『風塵乱舞:アルスラーン戦記6』
『王都奪還:アルスラーン戦記7』
『仮面兵団:アルスラーン戦記8』
『旌旗流転:アルスラーン戦記9』
『妖雲群行:アルスラーン戦記10』
『魔軍襲来:アルスラーン戦記11』
『暗黒神殿:アルスラーン戦記12』
『蛇王再臨:アルスラーン戦記13』
『天鳴地動:アルスラーン戦記14』
『戦旗不倒:アルスラーン戦記15』
『天涯無限:アルスラーン戦記16』
『アルスラーン戦記読本』
アルスラーン戦記
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