【単行本】久坂部羊(2017)『院長選挙』幻冬舎


※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。

作品情報

著者:幻冬舎
発行年月日:2017年8月25日
出版社:幻冬舎
国立大学病院の最高峰、天都大学医学部付属病院。その病院長・宇津々覚が謎の死を遂げる。「死因は不整脈による突然死」という公式発表の裏では自殺説、事故説、さらに謀殺説がささやかれていた。新しい病院長を選ぶべく院長選挙が近く病院内で開かれる。候補者は4人の副院長たち。「臓器のヒエラルキー」を口にして憚らない心臓至上主義の循環器内科教授・徳富恭一。手術の腕は天才的だが極端な内科嫌いの消化器外科教授・大小路篤郎。白内障患者を盛大に集め手術し病院の収益の4割を上げる眼科教授・百目鬼洋右。古い体制の改革を訴え言いにくいこともバンバン発言する若き整形外科教授・鴨下徹。4人の副院長の中で院長の座に就くのは誰か?まさに選挙運動の真っ盛り、宇津々院長の死に疑問を持った警察が動き出した…。 (Amazon.com より引用)


感想

★★★☆☆
図書館本

面白かったー!

大学病院の院長が突然死したことにより、4人の副院長たちが新しい院長の座を巡って対立している。
となれば、病院内の権力闘争や複雑な人間関係を描いた医療ミステリー……かと思いきや、ブラックコメディ全開のドタバタ劇でした(笑)

しっかし、小説として読んでいる分には面白いけど自分が患者ならたまらんな、この病院/(^o^)\
院長候補の教授たちは4人とも、患者のことなんか二の次、三の次なんだから。しかも全員、自分の診療科が一番だと考えて、他の科はボロカスに貶すし。
そういえば某失敗しない女医のドラマでも今シーズンは内科と外科が対立してますね。
もちろんかなり誇張されているのでしょうが、案外、大学病院はどこもこの小説やドラマのような有り様なのかも?って考えてしまいました(;^ω^)

一方で、私たち患者側も病院や医師に完璧を求めすぎだよなーと思わされました。
このコロナ禍で身にしみて感じたことですが、人間の体のことなんて分からないことだらけですもんね。
とは言え、それでも医療ミスをなくす努力はしてほしいですけどね。
「たいていの薬はそれほど効果もないかわりに危険性もないのです。」という薬剤師の言葉は身も蓋もなさすぎて笑ってしまいました( ̄▽ ̄)



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