「家」に人生を支配された人々の物語――山崎豊子『花紋』
明治・大正の家制度って、想像以上に人の人生を縛っていたんだなあ。 誇り高き大地主の総領娘っていうと、私は『風と共に去りぬ』のスカーレットが思い浮かんだけど… あっちはスカーレットが前向きでたくましいからか、物語全体がどこかカラッとしているんですよね。 それに対して、郁子とこの作品に漂う陰鬱さよ。 ろうたけた美貌とたぐいまれな才を宿し、大正歌壇に彗星の如く登場し、束の間の輝きを放って突如消息を断った幻の歌人御室みやじ。河内長野の大地主の総領娘として、苛酷な因襲に抗いながら、国文学者荻原秀玲との宿命の恋に全てを賭け、略伝に夭逝と記されたように、自らの生をまで世間から葬り去った、激しい情熱と苦悶に貫かれたその半生を重厚な筆致でたどった長編小説。 ( Amazon.com より引用) 作品情報 『花紋』 著者:山崎豊子 発行年月日:2006年4月5日 出版社:新潮社