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シモネタ多めで飽きるが、刺さる話は強烈に刺さる――京極夏彦他『ひどい民話を語る会』

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面白くないわけじゃないけど… ウンコとオナラの話ばかりでさすがに飽きたな。 荒唐無稽な口承文芸「ひどい民話」は、語りのエンターテインメントだ! 「囲炉裏端にはコンプライアンスもポリティカル・コレクトネスもないんです。そして――。ひどい民話が誕生するんです」京極夏彦(「はじめに」より) 「桃太郎」の冒頭でお爺さんは柴刈りに、お婆さんは洗濯に行く。その理由とは……? メジャーな昔話の陰には数々の「ひどい民話」が埋もれている。 妖怪を愛好する面々が縦横無尽に語る、知られざる民話の世界。 全国各地から選りすぐりの民話を紹介する、伝説的トークイベント「ひどい民話を語る会」が、満を持して書籍化! 学問としても芸術としても敬遠され、表舞台からパージされてきた荒唐無稽な口承文芸「ひどい民話」は、語りのエンターテインメントだ。 ※下品な話が苦手な方はご遠慮ください。 ( Amazon.com より引用) 作品情報 『ひどい民話を語る会』 著者:京極夏彦、多田克己、村上健司、黒史郎 発行年月日:2022年10月28日 出版社:KADOKAWA

誰にでもできることを、誰にもできないくらいやろう――前野ウルド浩太郎「孤独なバッタが群れるとき 『バッタを倒しにアフリカへ』エピソード1」

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飛行機がバッタの群れに巻き込まれたら、バッタが機体の隙間に潜り込んでエンジンが止まるかもしれないってマジで!? 空から殺虫剤撒いて駆除すりゃいいじゃんって思ってたけど、バッタって思いのほか厄介なんだな… 『呪術廻戦』芥見下々先生おすすめ! 第4回いける本大賞を受賞した名著が新書で登場! 【「新書版まえがき」より】 現在、私はバッタ博士としてアフリカでサバクトビバッタと格闘している。その模様は『バッタを倒しにアフリカへ』(光文社新書)に綴っており、本作は、それよりも前のバッ タ博士になろうかどうか思い悩みつつ、修業に明け暮れた頃に焦点を当てている。まさに「エピソード1」となる。今となっては気恥ずかしいが、青春の日々を、ひたすらバッタだ けを見つめることに捧げた青年が織りなすエピソードに、貴方をいざないたい。 ( Amazon.com より引用) 作品情報 『孤独なバッタが群れるとき 『バッタを倒しにアフリカへ』エピソード1』 著者:前野ウルド浩太郎 発行年月日:2022年5月30日 出版社:光文社

バッタ研究にかける情熱に圧倒される――前野ウルド浩太郎『バッタを倒しにアフリカへ』

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著者が『ファーブル昆虫記』に感銘を受けて昆虫学者を目指すところまでは理解できる。 でも…「バッタに食べられたい」ってどういうこと!? バッタ被害を食い止めるため、バッタ博士は単身、モーリタニアへと旅立った。 それが、修羅への道とも知らずに……。『孤独なバッタが群れるとき』の著者が贈る科学冒険ノンフィクション! ( Amazon.com より引用) 作品情報 『バッタを倒しにアフリカへ』 著者:前野ウルド浩太郎 発行年月日:2017年5月20日 出版社:光文社

棄てられない記憶――村上春樹『猫を棄てる 父親について語るとき』

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猫好きとしては読むのを躊躇ってしまうタイトル。 村上春樹のお父さんって戦争を経験している世代なんだ… ということにまず驚いた。 時が忘れさせるものがあり、そして時が呼び起こすものがある。ある夏の日、僕は父親と一緒に猫を海岸に棄てに行った。歴史は過去のものではない。このことはいつか書かなくてはと、長いあいだ思っていた。―村上文学のあるルーツ。 ( Amazon.com より引用) 作品情報 『猫を棄てる 父親について語るとき』 著者:村上春樹 発行年月日:2020年4月25日 出版社:文藝春秋

「逃げてるだけ」なのか――松永K三蔵『バリ山行』

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山ですか?天保山なら登ったことありますよ。 第171回芥川賞受賞作。古くなった建外装修繕を専門とする新田テック建装に、内装リフォーム会社から転職して2年。会社の付き合いを極力避けてきた波多は同僚に誘われるまま六甲山登山に参加する。その後、社内登山グループは正式な登山部となり、波多も親睦を図る目的の気楽な活動をするようになっていたが、職人気質で職場で変人扱いされ孤立しているベテラン社員妻鹿があえて登山路を外れる難易度の高い登山「バリ山行」をしていることを知ると……。 「山は遊びですよ。遊びで死んだら意味ないじゃないですか! 本物の危機は山じゃないですよ。街ですよ! 生活ですよ。妻鹿さんはそれから逃げてるだけじゃないですか!」(本文より抜粋) 会社も人生も山あり谷あり、バリの達人と危険な道行き。圧倒的生の実感を求め、山と人生を重ねて瞑走する純文山岳小説。( Amazon.com より引用) 作品情報 『バリ山行』 著者:松永K三蔵 発行年月日:2024年7月25日 出版社:講談社 バリ山行 感想 ★★★☆☆ 図書館本 『バリ山行』の「バリ」って、昔流行った「バリうざい」「バリかっこいい」とかの「バリ」だと思ってました。 実際には「バリエーションルート」の略で、通常の登山道ではないルートのこと。 当然、整備されたルートではないから、大けがや遭難に繋がりかねない危険なルートで、マナー違反だと非難されたりもする。主人公の職場の先輩・妻鹿(めが)は、そんなバリをやっているらしい。 主人公・波多は前職でリストラに遭い、なんとか転職したものの今の職場も存続が危うく、またもやリストラされるかもしれないという状況。しかも妻と幼い娘までいる。 私だったらプレッシャーでおかしくなりそう。 そんな波多が妻鹿と一緒にバリに出かけることになり、やはりというか、バリ初心者の波多は峪に落ちかけて死ぬ思いをすることになります。 死にかけた恐怖で頭がいっぱいの波多に対して、妻鹿が放った 「ね、感じるでしょ?波多くん」 「問答無用で生きるか死ぬか。まさに本物だよ。ひりつくような、そんな感覚。」 という言葉がきっかけになって、波多は 「そんなもの感じるわけないじゃないですか!死にかけたんですよ!」 と声を荒らげる。    ...

灰色の鳥――村上龍『新装版 限りなく透明に近いブルー』

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 僕の部屋は酸っぱい匂いで充ちている。テーブルの上にいつ切ったのか思い出せないパイナップルがあって、匂いはそこから出ていた。  切り口が黒ずんで完全に崩れ、皿にはドロドロした汁が溜まっている。 これだけでもう吐きそう…。 なのに読後感は意外と悪くない。 とにかく文体が素晴らしかった! 村上龍のすべてはここから始まった! 文学の歴史を変えた衝撃のデビュー作が新装版で登場!解説・綿矢りさ 米軍基地の街・福生のハウスには、音楽に彩られながらドラッグとセックスと嬌声が満ちている。そんな退廃の日々の向こうには、空虚さを超えた希望がきらめく――。著者の原点であり、発表以来ベストセラーとして読み継がれてきた、永遠の文学の金字塔が新装版に! 〈群像新人賞、芥川賞受賞のデビュー作〉( Amazon.com より引用) 作品情報 『新装版 限りなく透明に近いブルー』 著者:村上龍 発行年月日:2009年4月15日 出版社:講談社 新装版 限りなく透明に近いブルー (講談社文庫 む 3-29) 感想 ★★★★★ 購入本 圧倒的な文体の魅力 この作品の魅力は、何といってもその文体。 解説で綿矢りささんが書いているように、主人公・リュウは本当に見てるだけの存在でした。 リュウの目を通して描かれるのはドラッグとセックスに溺れる若者たちの退廃の日常で、私たち読者からすれば過激で濃密な出来事。彼らが非行に走るきっかけを描いたりしていくらでもドラマチックにできそうなのに、作者はそうはしない。 あまりにも淡々と描かれるので、新幹線の窓からあっという間に過ぎていく風景をただ眺めているような気分でした。 でも、語り手であるリュウの感情が抑えられているからこそ、彼らの世界の異常さが際立つんですよね。 リュウをはじめとする登場人物たちが抱える虚無感にも。 登場人物の心情についてはほとんど描かれていないのに、全員心の中では深く傷ついていて、でもどうすればいいのか分からずもがいている… というのがジリジリ伝わってくるので、読んでいてどんどん気分が沈んでいきました。 綿矢りささん曰く、一般的に人は「大人になれば見たくないものをわざわざ見る必要はないから目を背ける」もの。 リュウの恋人・リリーや他の仲間たちはこのタイプの人...

【単行本】湊かなえ(2020)『カケラ』集英社

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※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。 作品情報 著者:湊かなえ 発行年月日:2020年5月20日 出版社:集英社 美容クリニックに勤める医師の久乃は、ある日、故郷の同級生・八重子の娘が亡くなったことを知る。母の作るドーナツが大好物で、性格の明るい人気者だったという少女に何が起きたのか―。“美容整形”をテーマに、容姿をめぐる固定観念をあぶりだす心理ミステリ長編! ( Amazon.com より引用)

【単行本】麻耶雄嵩(2018)『友達以上探偵未満』KADOKAWA

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※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。 作品情報 著者:麻耶雄嵩 発行年月日:2018年3月30日 出版社:KADOKAWA 三重県立伊賀野高校の放送部に所属する伊賀ももと上野あおは大のミステリ好き。ある日、部活動で訪れた伊賀の里ミステリーツアーで事件に巻き込まれる。探偵に憧れる二人はこれ幸いと、ももの直感力とあおの論理力を活かし事件を解決していくが…?(「伊賀の里殺人事件」)。見立て殺人?お堀幽霊の謎?合宿中にも殺人事件…。勝てばホームズ。負ければワトソン。この世界に名探偵は二人も、いらない。女子高生探偵・ももとあおの絶対に負けられない推理勝負、開幕! ( Amazon.com より引用)

【単行本】麻耶雄嵩(2015)『あぶない叔父さん』新潮社

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※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。 作品情報 著者:麻耶雄嵩 発行年月日:2015年4月20日 出版社:新潮社 鬱々とした霧が今日も町を覆っている―。四方を山と海に囲まれ、古い慣習が残る霧ヶ町で、次々と発生する奇妙な殺人事件。その謎に挑む高校生の俺は、寺の小さな離れに独居してなんでも屋を営む、温厚な叔父さんに相談する。毎回、名推理を働かせ、穏やかに真相を解き明かす叔父さんが、最後に口にする「ありえない」犯人とは!常識破りの結末に絶句する「探偵のいない」本格ミステリ誕生!!年間ミステリ・ベスト10常連の奇才が放つ、抱腹と脱力の問題作。 ( Amazon.com より引用)

【単行本】村田沙耶香(2014)『殺人出産』講談社

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※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。 作品情報 著者:村田沙耶香 発行年月日:2014年7月15日 出版社:講談社 今から百年前、殺人は悪だった。10人産んだら、1人殺せる。命を奪う者が命を造る「殺人出産システム」で人口を保つ日本。会社員の育子には十代で「産み人」となった姉がいた。蝉の声が響く夏、姉の10人目の出産が迫る。未来に命を繋ぐのは彼女の殺意。昨日の常識は、ある日、突然変化する。表題作他三篇。 ( Amazon.com より引用)

【単行本】村上リコ(2014)『図説 英国貴族の令嬢』(ふくろうの本)河出書房新社

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※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。 作品情報 著者:村上リコ 発行年月日:2014年9月30日 出版社:河出書房新社 栄華をきわめた19世紀から20世紀初頭の英国、由緒正しい貴族の家に生まれた令嬢たち、壮麗な大邸宅、贅沢なドレス、狩猟に晩餐、舞踏会―華やかに見える彼女たちの日常、その裏側の現実は―? ( Amazon.com より引用)

【単行本】村上リコ(2017)『図説 英国社交界ガイド:エチケット・ブックに見る19世紀英国レディの生活』(ふくろうの本)河出書房新社

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※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。 作品情報 著者:村上リコ 発行年月日:2017年1月30日 出版社:河出書房新社 訪問、カード、茶会、正餐、舞踏会…19世紀の英国で、中流階級のレディが「エチケット」を武器に乗り出した社交生活。礼儀ともてなしの壁の向こうに彼女たちが見たものは? ( Amazon.com より引用)

【単行本】村上リコ(2012)『図説 英国執事:貴族をささえる執事の素顔』(ふくろうの本)河出書房新社

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※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。 作品情報 著者:村上リコ 発行年月日:2012年6月20日 出版社:河出書房新社 古き良き時代の、貴族と男性使用人たちの生活とは? 何を思い、どんな仕事をしていたの?何時に起きて、給料はいくら?出世の道は?恋や結婚は?御主人様や奥方様とのあやうい関係?ときには犯罪に走ることも……?コミック『黒執事』作者、枢やな氏推薦! ( Amazon.com より引用)

【単行本】麻耶雄嵩(2013)『貴族探偵対女探偵』集英社

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※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。 作品情報 著者:麻耶雄嵩 発行年月日:2013年10月30日 出版社:集英社 「貴族探偵」を名乗る謎の男が活躍する、本格ミステリーシリーズ第2弾!今回は新米女探偵・高徳愛香が、すべてにおいて型破りな「貴族探偵」と対決!期待を裏切らない傑作トリックの5編収録。 ( Amazon.com より引用)