【文庫本】小学館文庫編集部編(2021)『超短編!大どんでん返し』小学館


※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。

作品情報

編者:小学館文庫編集部
発行年月日:2021年2月10日
出版社:小学館
2000字で世界が反転する!驚愕の30編。アイドルの握手会に参加したファン、テレビ番組でパンダと対決することになった肉体派タレント、完璧な密室を作り上げた推理小説作家――人々を待つ運命とは?2000字、原稿用紙5枚分の“超”短編小説で、“大どんでん返し”に挑む。小説誌「STORY BOX」の人気企画をオリジナル文庫化。ミステリー、ホラーから歴史小説まで、多彩な30編!【執筆者】青崎有吾、青柳碧人、乾 くるみ、井上真偽、上田早夕里、大山誠一郎、乙一、恩田 陸、伽古屋圭市、門井慶喜、北村 薫、呉 勝浩、下村敦史、翔田 寛、白井智之、曽根圭介、蘇部健一、日明 恩、田丸雅智、辻 真先、長岡弘樹、夏川草介、西澤保彦、似鳥 鶏、法月綸太郎、葉真中 顕、東川篤哉、深緑野分、柳 広司、米澤穂信(五十音順・敬称略) (Amazon.com より引用)


感想

★★★★☆
図書館本

『大どんでん返し』というタイトルなので気構えて読み始めたものの、トップバッターの「なんて素敵な握手会」(乾くるみ)からしっかり騙されました(笑)
乾さんは『イニシエーション・ラブ』の作者さんですね。たった4ページで騙される喜びを味わわせてくださるとは、さすがです。
サクッと読めて、オチが分かった後はハハッと笑える話が多いので、暇つぶしにはもってこいの一冊ですよ。

「なんて素敵な握手会」(乾くるみ)、「ちゃんと聞いてる?」(西澤保彦)の二作はまさに大どんでん返し!
ラスト数行で物語が派手にひっくり返って面白かったです。
「或るおとぎばなし」(井上真偽)、「硬く冷たく」(大山誠一郎)、「籠城 オブ・ザ・デッド」(伽古屋圭市)も好きだな。

「トカレフとスタンウェイとダルエスサラーム」(蘇部健一)は、バカミスとして有名な『六枚のとんかつ』の作者さんの作品ということでワクワクして読んだんですけど、普通のいい話(?)でやや拍子抜け(^^;)
アホ系の話なら「電話が逃げていく」(乙一)が好きだな。電話が逃げていくんじゃそりゃ仕方がない(笑)
私の読みが足りないのか、深読みしすぎなのか、「人を憎んで罪を憎まず」(下村敦史)はオチがよく分からなかったわ。
その他、王道ミステリーやSF・オカルトちっくな話もあり、バラエティー豊かな短編集でした。



後日追記
上記「人を憎んで罪を憎まず」について。
ラストで「SNSのアカウント・・・・・・・・・」にわざわざ傍点が振ってあるあたり、もう一捻りあるんじゃないかと疑っていたのですが……。
(例えば張詠晴は本当は男性だった、とか。)
でも、中国人の友人に訊いてみたら、張詠晴は女性の名前で間違いないらしいので、上記の可能性はなさそう。
やっぱり私が勝手に見当違いの方向に考えていただけなのかな(^^;)



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