【単行本】阿部智里(2020)『楽園の烏』文藝春秋


※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。

作品情報

著者:阿部智里
発行年月日:2020年9月5日
出版社:文藝春秋
「あのお方は慈悲深い」誰もが称えた。同じ笑顔で。大戦から20年後の山内―八咫烏シリーズ、衝撃の新章スタート。 (Amazon.com より引用)

感想

★★★☆☆
図書館本

お!第二部面白そうじゃん!

せっかく紫苑の宮誕生で八咫烏シリーズも綺麗にまとまったのに第二部やるんだ……と、どちらかというと新章には否定的だったんだけど、山内の状況はいよいよ深刻になっていて、さらに新キャラも登場で今後が気になる展開に。ツカミはOKですよ。
特に、自分の理想のためなら手段を択ばない人物は好きなので、雪斎と名を改めた雪哉は第二部に入ってからグッと魅力を増した感じ。
第一部では全然興味なかった彼ですが、第二部ではあせびちゃんに次ぐ推しキャラになりそうな予感です(^^)

シリーズおなじみのどんでん返し、というかキャラ変も健在。
正直、終盤でのキャラ変はやらない方が面白いと思うんだけど(´・ω・`)
はじめの正体は分からなかったわ。なかなかの切れ者のようだし、はじめvs雪斎は気になるな。

まあでも、頼斗の裏切りがお芝居なのは予想していたのでバッチリ当たってご機嫌な私です(笑)
だって雪斎ったら「安原はじめの信頼を勝ち取る・・・・・・・のだ」と、わざわざ傍点付きで頼斗に命じたくらいだもの。バレバレだよねぇ。

それにしても「憎悪は娯楽」とはよく言ったものだわ。

因果関係がなかったとしても、心置きなく憎悪できる相手をいつも探している。

状況は全然違うけど、今の世の中にぴったり当てはまる言葉のように思えて仕方ない。
つくづく、自分も含めて人間なんて弱くて身勝手な生き物だなと思わされます。

……

ところでさ、今の金烏陛下って誰??

「若き今上陛下」ってことは奈月彦じゃないよね?
でも長束は「金烏の兄上」ということだから、もしや長束・奈月彦に弟宮ができた?
『烏に単~』の感想で書いたようにあせびちゃんが金烏代の側室に上がって皇子を産んでいたりしたら胸アツ展開!(ま、これはないだろうけど。)

「幽霊」が紫苑の宮だとしたら奈月彦も浜木綿も死んだってことになるけど……。阿部さんのことだからミスリードを狙ってる気がする。
治真の口ぶりからすると、少なくとも紫苑の宮は生きていそうだよなあ。

それから、頼斗は「やや目尻の垂れた甘い顔立ちのイケメン」だそうで。
容姿イマイチの北家系列にイケメンねぇ。
確か白珠ちゃんも垂れ目の美少女じゃなかったっけ?

初恋を貫いて奈月彦には入内しなかった彼女だけど、一巳との貧乏暮らしに嫌気が差して実家に出戻ってたりして。
そして何事もなかったかのように有力貴族に嫁いで生まれたのが頼斗……だったら嬉しいなあ。
白珠ちゃんは恋に恋してただけだと思うんですよね。貴賤結婚なんてうまくいくわけないと思う私。

いやはや、妄想がはかどります(笑)

第一部完結で区切りもついたし、第二部からはもう買わずに図書館で借りればいいやと思っていたけど、文庫本が出たら買うかも。



↓「八咫烏シリーズ」感想
『烏に単は似合わない』
『楽園の烏』
『追憶の烏』



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