【単行本】冲方丁(2021)『月と日の后』PHP研究所
※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。
作品情報
著者:冲方丁発行年月日:2021年9月30日
出版社:PHP研究所
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感想
★★☆☆☆図書館本
『枕』より『源氏』派の私としては、彰子にスポットライトを当てた小説って珍しい(少なくとも私は初めて出会った)から結構期待していたんだけど……
つまらなかったな( ̄▽ ̄)
ストーリー性が乏しく、全体的に説明調に思えて退屈でした。
この作品においては「怨み」が重要だから、その説明にページを割くのも分かるけど、詮子の話とかいつまで続くんだよ!って感じで疲れましたわ(^^;)
それに彰子の物語というよりは道長の物語って感じ?
栄華を極めるほどに他者からの怨みを恐れ、権勢を保つために大盤振る舞いをする。ときには対立する相手に譲歩したりもする。
優れたバランス感覚をもって一条天皇や政敵と粘り強い駆け引きを続けた道長には感じ入るものがありましたが、そういう道長像はすでに永井路子『この世をば』に描かれているからさほど目新しい感じもないし。
彰子が紫式部に出仕を促す場面は面白かったから、そっちをもっと膨らませてほしかったかな。
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