【文庫本】田中芳樹(2012)『落日悲歌:アルスラーン戦記3』光文社


※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。

作品情報

著者:田中芳樹
発行年月日:2012年12月20日
出版社:光文社
ペシャワール城塞に入城したパルス王太子アルスラーンの元に、シンドゥラ軍襲来の報が届く。王子ラジェンドラ率いる大軍は五万。対する軍師ナルサスは、巧みな計略を用い、たった五百の騎兵で王子を捕虜にしてしまう。王子と同盟を結んだアルスラーンは、シンドゥラのもう一人の王子ガーデーヴィとの対決へと向かうが…。 (Amazon.com より引用)


感想

★★★★★
図書館本

ああ、やっぱりバフマンはアルスラーンに真相を話さないまま死んじゃうのね(T_T)
しかもアニメと違ってガーデーヴィにやられるとは……。
ヒルメスの恨みからアルスラーンを庇って、ならまだしも、他国のいざこざに巻き込まれて死ぬなんて悲しすぎやしませんか。

アルスラーンの正体が明らかになるのはまだ先になりそうですが、代わりにヒルメスの出生の秘密についてアンドラゴラス王が語りましたね。
曰く、迷信深いアンドラゴラス王の父・ゴタルゼス大王が、予言に従って息子・オスロエス五世の妃に産ませた子がヒルメスであると。
つまりヒルメスはオスロエス五世、アンドラゴラス三世の弟なわけで……
前巻の感想で、銀仮面卿はヒルメス王子の偽者じゃないの?てなことを書きましたが、ここでヒルメスの血統が明かされたからにはその線は消えたかな?

「パルスの王家の歴史は、血と嘘とに塗りかためられておる。」

アルスラーンが年少で頼りないながらも人を惹きつけるのは、「王家のにごった血」が流れていないから、だろうか?
何にせよ、「私は、いったい誰なんだろう」と悩むアルスラーンに対して、ダリューンがかけた言葉に胸がアツくなりました。

「殿下のご正体は、このダリューンが存じております」
「殿下はこのダリューンにとって、だいじなご主君でいらっしゃいます。それではいけませんか、殿下」


こうもきっぱりと言い切ることができるダリューン、かっこよすぎでしょう……!
解説で森福都さんが、ギーヴ×ファランギースで「アルスラーン戦記」@ TAKARAZUKA を、と書いていらしたけど、私はダリューンを主役に推しますよ!
本文にちらっと出てきた、絹の国の女性との恋物語が見てみたい(^^)

『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』 [DVD]




↓「アルスラーン戦記」シリーズ感想
『王都炎上:アルスラーン戦記1』
『王子二人:アルスラーン戦記2』
『落日悲歌:アルスラーン戦記3』
『汗血公路:アルスラーン戦記4』
『征馬孤影:アルスラーン戦記5』
『風塵乱舞:アルスラーン戦記6』
『王都奪還:アルスラーン戦記7』
『仮面兵団:アルスラーン戦記8』
『旌旗流転:アルスラーン戦記9』
『妖雲群行:アルスラーン戦記10』
『魔軍襲来:アルスラーン戦記11』
『暗黒神殿:アルスラーン戦記12』
『蛇王再臨:アルスラーン戦記13』
『天鳴地動:アルスラーン戦記14』
『戦旗不倒:アルスラーン戦記15』
『天涯無限:アルスラーン戦記16』






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