【文庫本】田中芳樹(2013)『征馬孤影:アルスラーン戦記5』光文社


※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。

作品情報

著者:田中芳樹
発行年月日:2013年12月20日
出版社:光文社
王都エクバターナ奪回へと西進するアルスラーンに、北方の強国トゥラーン軍急襲の報が入る。反転してペシャワール城に戻ったパルス軍は、智将ナルサスの指揮の下、敵の大軍を迎え撃つ。一方、虜囚の身から抜け出したパルス国王アンドラゴラスは、王妃タハミーネとともに、王都脱出を図っていた。父子は再び相まみえるのか?急展開に目が離せないシリーズ第五弾! (Amazon.com より引用)


感想

★★★★★
図書館本

クバードがようやくアルスラーン一行に合流し、頼もしい味方が増えて良かったと思った矢先に(; ・`д・´)
ルシタニア軍に囚われていたアンドラゴラス王が自力で地下牢から脱出したばかりか、エクバターナを出てアルスラーンたちがいるペシャワール城までやって来てしまうんだから、陛下の強さには畏れ入るばかりです。

しかし、陛下がアルスラーンの集めた兵を取り上げるとは思ってもみなかったですよ。
そればかりか、アルスラーンをたった一人、追い出すなんて。
なんと憎らしいアンドラゴラス王……!
ちょうどGYAO! でこの回を見たとき、私の横で見ていた夫が「こいつ(アンドラゴラス王)、ずっと捕まってたら良かったのに」と言ったので、大きく頷きましたもの(笑)

でも、ダリューンやナルサスはじめ、大事な仲間たちがアルスラーンのもとに集まってくれて本当に良かった!
優秀な臣下に恵まれるのも、ひとえにアルスラーンの人徳ゆえ。
豪勇を誇るアンドラゴラス王とはまた違う、アルスラーンの王者としての資質ですね。

アルスラーンといえば、脅しのために入植者たちを処刑したトゥラーンのトクトミシュ王に対して「待っていろ、おぬしをすぐに先代のトゥラーン国王にしてやるからな」と怒りをぶつけたのが意外で驚きました。心優しいアルスラーンにこんなことが言えるとは!
たくましく成長したなーとしみじみ。

そういえばアニメではボダン大司教に掻っ攫われた宝剣ルクナバードですが、原作ではザンデのおかげでデマヴァント山に眠ったままに。
てっきりヒルメスの言い成りかと思ったザンデが、怒りも顧みず主君を諌めようとは、これまた意外でした。
彼も忠義者ですよねぇ。



↓「アルスラーン戦記」シリーズ感想
『王都炎上:アルスラーン戦記1』
『王子二人:アルスラーン戦記2』
『落日悲歌:アルスラーン戦記3』
『汗血公路:アルスラーン戦記4』
『征馬孤影:アルスラーン戦記5』
『風塵乱舞:アルスラーン戦記6』
『王都奪還:アルスラーン戦記7』
『仮面兵団:アルスラーン戦記8』
『旌旗流転:アルスラーン戦記9』
『妖雲群行:アルスラーン戦記10』
『魔軍襲来:アルスラーン戦記11』
『暗黒神殿:アルスラーン戦記12』
『蛇王再臨:アルスラーン戦記13』
『天鳴地動:アルスラーン戦記14』
『戦旗不倒:アルスラーン戦記15』
『天涯無限:アルスラーン戦記16』



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