【単行本】綾辻行人(2017)『人間じゃない:綾辻行人未収録作品集』講談社
※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。
作品情報
著者:綾辻行人発行年月日:2017年2月23日
出版社:講談社
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感想
★★★☆☆図書館本
5つの短編・中編が収録された本。
ミステリーというよりは怪奇、幻想小説的な作品が多くて、面白かったけど、読解力も想像力も低い私にはちょっとついていけない感じでした(^^;)
赤いマント
「館」シリーズの第4作『人形館の殺人』の後日譚に当たる物語として書かれたのだとか。
『人形館』を読んだのがずいぶん前だからか、登場人物の名前を見ても全然ピンと来なくて、なんだか損した気分(笑)
私、「赤マント」の怪談ってこの作品で初めて知ったんですけど、有名な怪談なのかしら?
由紀ちゃん、素晴らしい演技力!!
綾辻先生が扉裏で書いていたように、「ごく普通の推理小説」。
コロンの香りを隠すためにペンキ被るって、んなアホな!?と、ツッコミたくはなるけど面白かったです。
崩壊の前日
『眼球綺譚』所収の短編「バースデー・プレゼント」の姉妹編、だそうですが、『眼球綺譚』を読んでいないのでつながりはよく分かりません。
……というか、この作品は全体的によく分からなかったです。
やっぱり私は幻想小説は苦手だな。
洗礼
『どんどん橋、落ちた』の番外編。
作中で、綾辻先生がデビュー当初からお世話になった編集者・U山さんが亡くなったことが語られますが、実際に、U山さんのモデルになった宇山秀雄氏が急逝されたそうで。
確か『迷路館の殺人』にも、宇山氏をモデルにした人物がいましたよね。
追悼の意味合いが強い作品ですが、王道の犯人当てミステリーで、ワクワクしながら読みました。
U君は若かりし頃の綾辻先生であると同時に、宇山氏でもあったんだなあ……と思うと、しみじみと感じ入ります。
蒼白い女
たった8ページの、短い、シンプルな怪談でしたが、これが本当にゾクッとする。
ミステリーではないけど、この本の中では一番好きかもしれない。
「深泥丘」連作の番外編で、『深泥丘奇談・続々』所収の「減らない謎」の前に位置するエピソードだそうです。
人間じゃない―B〇四号室の患者―
もとは漫画の原作として考案されたプロットだったらしいこの作品。
ホラーとミステリーが融合したような、なんとも不思議でゾワゾワするお話でした。
この作品は『フリークス』収録の「患者」シリーズの番外編という形を取って小説化されたとのこと。
「漫画だからこそ成り立つ仕掛け」は、ぜひ漫画で読みたいなあ!
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↓「館シリーズ」感想
『十角館の殺人<新装改訂版>』
『水車館の殺人』
『迷路館の殺人』
『人形館の殺人』
『時計館の殺人<新装改訂版>(上)』
『時計館の殺人<新装改訂版>(下)』
『黒猫館の殺人』
『暗黒館の殺人(上)』
『暗黒館の殺人(下)』
『びっくり館の殺人』
『奇面館の殺人』