【文庫本】綾辻行人(1996)『黒猫館の殺人』講談社

黒猫館の殺人〈新装改訂版〉 館シリーズ (講談社文庫)



※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。

作品情報

著者:綾辻行人
発行年月日:1996年6月15日
出版社:講談社
6つめの「館」への御招待―自分が何者なのか調べてほしい。推理作家鹿谷門実に会いたいと手紙を送ってきた老人はそう訴えた。手がかりとして渡された「手記」には彼が遭遇した奇怪な殺人事件が綴られていた。しかも事件が起きたその屋敷とはあの建築家中村青司の手になるものだった。惨劇に潜む真相は。 (Amazon.com より引用)




感想

★★★★☆
図書館本

わーお!これは見事に騙されました!!!
鮎田さんがやたらと左手で胸を押さえるので、たぶん彼が天羽博士だろうなーとは思っていましたが…
まさか黒猫館の所在地がオーストラリアのタスマニアだなんて!海を越えましたよ!

『時計館』は一回読んだだけで図書館に返却しちゃいましたが、この本は二回目読むのが楽しかったです。
ちゃんと読めばあちこちに伏線が張り巡らされているんですから。
騙される喜びを存分に味わいました!

「パスポートには氏名と本籍地の他に、身長が記入される欄がある」という部分だけ???でしたが、読み終わってからググって、昔はパスポートにも身長が記載されていたと知って納得。

そして、「機械トリックが嫌い」という江南くんにクスッと笑ってしまいました。
「まあどうにかしたんだろうな、という気分になってしまい、種明かしをされても『ふーん』としか思えないのである。」
なんて…私も物理的なトリックについては最初から理解する気ゼロで読み流す性質なので、江南くんの気持ちはよく分かります。

あ、それから『アリス』の物語が好きでないのも彼と一緒だった。
それもアリスの可愛げのなさが理由なので、江南くんにかなり親近感を抱きました(笑)
でもアリスをモチーフにした館なんてきっと素敵だろうな~
久しぶりに読んでみたくなりました。


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↓「館シリーズ」感想
『十角館の殺人<新装改訂版>』
『水車館の殺人』
『迷路館の殺人』
『人形館の殺人』
『時計館の殺人<新装改訂版>(上)』
『時計館の殺人<新装改訂版>(下)』
『黒猫館の殺人』
『暗黒館の殺人(上)』
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