【文庫本】綾辻行人(1993)『人形館の殺人』講談社
※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。
作品情報
著者:綾辻行人発行年月日:1993年5月15日
出版社:講談社
|
感想
★★★☆☆図書館本
太田忠司さんが解説で「この作品は異色作です」と書いているけど、確かに異色だった。
「私」が二重人格で、私=犯人というところまでは予想していて、実際その通りでしたが……
まさか島田が想一の第3の人格だとは思ってもみなかったです。
今回は島田さん、電話ばかりで出番少ないのねー。
と少し寂しく思いながら読んでいたら……
本物の島田さんは電話どころか、手紙でしか出てこなかったという( ̄▽ ̄;)
異色なのはそれだけではなくて。
これまでの「館」は「十角館」「水車館」「迷路館」と、「〇〇館」という名前がちゃんとあったのに対し、今回の事件の舞台である「人形館」は、あくまで一部の登場人物がそう呼んでいるだけで、正式には「緑影荘」。
その点は私も気にはなっていたけど、それほど重要なこととは思わず読み流していたら……
なんと「『人形館』なる建物は、現実には存在しない」ときた!
「館シリーズ」の4作目というのが一種の仕掛けでもあったのですね。
そんなのアリ!?と思ったけど、同時に、へー!そうきたか!と面白かったです。
にほんブログ村
↓「館シリーズ」感想
『十角館の殺人<新装改訂版>』
『水車館の殺人』
『迷路館の殺人』
『人形館の殺人』
『時計館の殺人<新装改訂版>(上)』
『時計館の殺人<新装改訂版>(下)』
『黒猫館の殺人』
『暗黒館の殺人(上)』
『暗黒館の殺人(下)』
『びっくり館の殺人』
『奇面館の殺人』