【単行本】綾辻行人(2006)『びっくり館の殺人』講談社

びっくり館の殺人 館シリーズ (講談社文庫)



※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。

作品情報

著者:綾辻行人
発行年月日:2006年3月17日
出版社:講談社
とある古書店で、たまたま手に取った一冊の推理小説。読みすすめるうち、謎の建築家・中村青司の名前が目に飛び込む。その瞬間、三知也の心に呼び起こされる遠い日の思い出…。三知也が小学校六年生のとき、近所に「びっくり館」と呼ばれる屋敷があった。いろいろなあやしいうわさがささやかれるその屋敷には、白髪の老主人と内気な少年トシオ、それからちょっと風変わりな人形リリカがいた。クリスマスの夜、「びっくり館」に招待された三知也たちは、「リリカの部屋」で発生した奇怪な密室殺人の第一発見者に!あれから十年以上がすぎた今もなお、事件の犯人はつかまっていないというのだが…。 (Amazon.com より引用)




感想

★★★☆☆
図書館本

これまでの館シリーズに登場した館は漢字2文字の「〇〇館」だったのが、今回は平仮名4文字の「びっくり館」。
えらく可愛らしい響きの館だなと思ったら、児童向けに書かれた作品だったのですね。
道理で文字は大きいし、漢字には全部ルビが振ってあるし、挿絵も分かりやすくて、読みやすいわけです。
あの『暗黒館』の後だから余計にそう思うのかも?笑

館の名前や児童向けであることから、てっきり今回もまた『人形館』みたいなオチかと思ったら、びっくり館はれっきとした中村青司作の館でした。
人形だと思っていたリリカがトシオだと明かされたときは、本当にびっくり!
あのラストにも戦慄しましたが、腹話術の『びっくり館縁起』は特に、ネタを知った上で読むと背筋が凍る思いです。

それにしてもこの本……
殺人だけじゃなく虐待や近親相姦を匂わせたりもしていて、児童書なのに内容は結構エグいですよね。
クリスマスの夜を舞台に、ワクワクとゾクゾクが交差した面白い作品だと思うけど、子どもには読ませたくないかなーなんて(^^;)


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↓「館シリーズ」感想
『十角館の殺人<新装改訂版>』
『水車館の殺人』
『迷路館の殺人』
『人形館の殺人』
『時計館の殺人<新装改訂版>(上)』
『時計館の殺人<新装改訂版>(下)』
『黒猫館の殺人』
『暗黒館の殺人(上)』
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『びっくり館の殺人』
『奇面館の殺人』








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