【単行本】ガストン=ルルー(1988)『オペラ座の怪人』(スーパーブックス0052)長島良三訳,偕成社
※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。
作品情報
著者:ガストン=ルルー訳者:長島良三
発行年月日:1988年9月
出版社:偕成社
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感想
★★★★☆図書館本
私、ミュージカル『オペラ座の怪人』が大好きなんです。
と言っても、劇団四季版と、ジェラルド・バトラー&エイミー・ロッサムの映画版しか見たことないのですが(^^;)
(いつか本場ブロードウェイで見てみたい!)
12月にルルーの小説『オペラ座の怪人』を基にしたミュージカル『ファントム』を観劇予定ということもあって、原作小説を読んでみようと図書館のwebサービスで予約していたのですが……
図書館で本を受け取ったとき、案外薄いんだなーとは思ったのですが、帰宅して本をめくって驚愕。
「ダイジェスト版」だと!?
カバーそでに本の概要が書いてあって、そこには「幻の名作といわれるガストン=ルルー原作の怪奇ロマンが読みやすいダイジェスト版で甦る」の文字。
いやいやいや、私が読みたいのは原作なのよ(T_T)
とがっかりしたけど、せっかく借りてきたので読んでみました。
解説によると、この本は、子ども用の怪奇小説アンソロジーに収録された『オペラ座の怪人』の翻訳だそうで。
確かに本文には難しい表現もなくサクサク読めました。
長さも、原作小説は750枚くらいあるのを200枚に短縮しているそうです。
でも無理やり端折ってる感もないし、面白かったです!ダイジェスト版としてはかなりいいかも。
ミュージカルでは、クリスティーヌは純粋だけどどこか頼りなくて、怪人・エリックとラウールの間でふらふらしているように感じていたのですが、この本のクリスティーヌは優しさと強さを併せ持つ賢い女性だったことに驚きました。
クリスティーヌの、エリックに対する感情の変化は、今回この本を読んで初めてきちんとした形で理解できた気がします。
だからこそ、エリックとクリスティーヌの関係が悲しくて哀れに思えて仕方ない(T_T)
今度、改めて原作を読もうっと。
解説にあったルルー作のミステリー小説『黄色い部屋の秘密』も気になるなあ。
フランス推理小説の最大傑作なんて言われたら、読むしかないですよね!
あ、そうそう。解説と言えば……
解説で、そのうち読もうと思っていたミステリー小説のネタバレを食らいました(笑)
(『ウルチモ・トルッコ』で「意外な犯人」の例に挙げられていた、オランウータンが犯人のやつとか、ヘビが犯人のやつ。)
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