【単行本】中山七里(2016)『どこかでベートーヴェン』宝島社
※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。
作品情報
著者:中山七里
発行年月日:2016年6月8日
出版社:宝島社
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感想
★★★★☆図書館本
岬先生の高校時代のお話。
いやー。『暗黒館の殺人』を読んだ後だからか、サクサク読めてとーっても面白かった!笑
私自身、ショパンよりベートーヴェン派なので音楽描写も読んでいてわくわくしたし。
(ベタだけどバックハウスが好き♪)
しかし岬先生…なかなかに前途多難な高校生活を送っていたのですね( ̄▽ ̄)
才能をやっかんだクラスメートにいじめられ、殺人事件の容疑者にされ、しかも突発性難聴まで発症して…。
検事の父親が、岬先生が音楽の道に行くのを反対していたことはこれまでのシリーズでも語られていたけど、いくらなんでも突然耳が聞こえなくなった自分の息子に「報い」だとか「天罰」だとか言う!?
文化祭のステージで演奏を中断したときは、さすがの彼も狼狽えるんだなと、読んでいた私も動揺してしまったので、父親のあの言い方には腹が立ちました。
あとクラスメートにも!
岬先生が犯人じゃないと分かっても謝罪しないことにイライラしたけど、まあ実際はそんなもんだろうな…。
棚橋先生の説教は彼らに届いたんだろうか。
「才能を持つ者と持たざる者の相違」は、悲しいけど確かにその通りで。絶望の中から新たな希望を見つけてほしいものです。
でも!岬先生の「夢を捨てる勇気」には、それは違うのよ~~!と叫びたくなりました(;_;)
この後、本当に法曹の道に進んだんだっけ?どうやってピアノの道に戻ってくるのかな。
鷹村亮=作者(中山七里)のどんでん返しは全く予想してなくてニヤリ。
鷹村くんがあまりにも自分を卑下するから、これはきっとピアノの才能ないと思わせておいて本当はピアノ上手なんでしょ!?と思っていたらそうじゃなくて。
彼にはピアノじゃなくて作家の才能があったのね~。
この作品の次が『もう一度ベートーヴェン』(仮題)らしいから、そこで岬先生復活&鷹村くんと岬先生の再会かな?
早く続きが読みたい!
作中で触れられていた映画『アマデウス』も見てみたいな。
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