【文庫本】篠原悠希(2019)『湖宮は黄砂に微睡む:金椛国春秋』KADOKAWA

※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。

作品情報

著者:篠原悠希
発行年月日:2019年2月25日
出版社:KADOKAWA
金椛帝国最西の街。罪を犯した友人を救おうとした咎で、辺境に飛ばされた星遊圭。先輩役人たちの嫌がらせにも負けず頑張る遊圭だが、療母の胡娘の助けもあり、居心地は悪くない。しかし、戦地より帰還した兵士から、行方不明中の公主・麗華が、死の砂漠にある伝説の郷に逃げたという情報がもたらされ、事態は一変。しかも胡娘の生き別れの夫が同行しているようで…。死の砂漠で公主捜し!?傑作中華ファンタジー、冒険の章! (Amazon.com より引用)



感想

★★★★☆
図書館本

このシリーズは図書館で借りて読んでいるんですけど、なぜか6作目にあたるこの巻以降は地元図書館に所蔵がなくて、他市から取り寄せてもらうことに。
そのため前作を読んでからかなり時間が経ってしまって、前作のストーリーやキャラクターはほとんど忘れてしまいました(^^;)
王慈仙とか菫児とか、こんな人いたっけ?という感じ。作児のことはばっちり覚えていたというのに(笑)

今回はシーリーンの夫に対する一途な思いが切なくて悲しくて、麗華公主がようやく掴んだ幸せも素直に喜べない自分がいたり……。
戦で離れ離れになって15年も経つわけだから、元夫を責めることはできないんだけど。
心から彼と麗華公主の幸せを願えるシーリーンは、本当に優しい人なんだなとしみじみ感じました。

それに引き換え、王慈仙!
義弟のためとは言え、過酷な死の砂漠での公主探しを買って出たくらいだから、良いヤツだと思っていたのに~!
表面上は穏やかで、でも腹の内は容易に探らせない彼のことは、心強い味方として好ましく思っていただけに、終盤の豹変ぶりはショックでした。
玄月の信頼も厚い人物ということだったから、実は慈仙の裏切りも、玄月と仕組んだお芝居だったりしないのかな?(多分違うだろうなあ。)

そして、遊圭が玄月の想い人だと見当をつけていた小月は、玄月と明々のやり取りを読む限り、どうやら本当に彼の特別な人っぽいですよね。
前作を読んだときは、どうせ妹とかいうオチで、遊圭の見当はずれに終わるだろうと思っていたのですが。
王容華という名を聞いて、明々がすぐに「嬪の位にある内官」と分かったところを見ると、小月は明々も知ってる人?すでに登場している?
麗華公主と間違われて拉致された遊圭のことも心配だけど、今は玄月が気になるー!



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↓「金椛国春秋シリーズ」感想
『後宮に星は宿る』
『後宮に月は満ちる』
『後宮に日輪は蝕す』
『幻宮は漠野に誘う』
『青春は探花を志す』
『湖宮は黄砂に微睡む』
『妖星は闇に瞬く』
『鳳は北天に舞う』
『臥竜は漠北に起つ』
『比翼は万里を翔る』
外伝『月下氷人』





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