【文庫本】篠原悠希(2021)『月下氷人:金椛国春秋外伝』KADOKAWA
※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。
作品情報
著者:篠原悠希発行年月日:2021年9月25日
出版社:KADOKAWA
|
感想
★★★☆☆図書館本
シリーズ最終巻でようやく結ばれた遊圭と明々夫婦のその後、そして、玄月と陽元、彼らを取り巻く人たちの過去が明らかになった外伝。
いや~、遊圭と明々は跡継ぎの男児にも恵まれてすっかり満ち足りた暮らしぶりです。本編では波乱万丈だった二人なのでホッとしました。
明々は話し方もすっかり落ち着いて権門の夫人らしくなり、貫禄が出てきていますね。
自分を裏切った陶蓮を許すわけでなく、かと言って責め立てることもしない遊圭は本当によくできた人間だよ( ;∀;)
いい決着のつけ方だったと思います。
……できることなら陶蓮の件は本編で片付けておいてほしかったけど。モヤモヤの残る最終巻だったもの。
陽元の幼少期が思い描いていた以上に孤独で切なかったなあ。
御嫡母様に取り上げられないように、好きな玩具も可愛がっている犬も、全く興味がないように振舞っていたのね(T_T)
乳母の忘れ物まで大事に隠していた陽元のいじらしさに思わず目に涙が浮かびました。
陽元と玄月の絆はこうして生まれたんですね。
あ、そうそう!
そんな二人を結びつけたのが、少年の頃は美貌だった王慈仙(大人になってからも美しかったんだっけ?)だったというわけですね。
陛下の信頼が厚いのも納得。慈仙はこの頃から強かに立ち回っていたのねー。好きだわー。
↓「金椛国春秋シリーズ」感想
『後宮に星は宿る』
『後宮に月は満ちる』
『後宮に日輪は蝕す』
『幻宮は漠野に誘う』
『青春は探花を志す』
『湖宮は黄砂に微睡む』
『妖星は闇に瞬く』
『鳳は北天に舞う』
『臥竜は漠北に起つ』
『比翼は万里を翔る』
『月下氷人』
にほんブログ村