【単行本】谷瑞恵(2020)『語らいサンドイッチ』KADOKAWA

※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。

作品情報

著者:谷瑞恵
発行年月日:2020年6月1日
出版社:KADOKAWA
大阪の靭公園にある、手作りサンドイッチの専門店『ピクニック・バスケット』。おっとりした姉・笹子がつくる絶品サンドイッチと、しっかり者の妹・蕗子の切り盛りに惹かれ、多くの客が店を訪れている。笹子のサンドイッチは、誰かが胸の内で大事にしている味に、そっと寄り添ってくれるのだ…。そんななか蕗子は、笹子が元彼と会っているらしいと知る。フランス帰りのシェフだという彼は、自分のレストランに笹子を誘おうとしているのかもしれない―。心穏やかではいられない蕗子だが、一方、彼女のほうにも新たな変化の兆しが…!? (Amazon.com より引用)


感想

★★★★★
図書館本

お話に出てくるサンドイッチがどれも美味しそう!!!
あんまり美味しそうだったから、私も作中のサンドイッチ、真似して作っちゃいましたよ(笑)
と言っても、フィッシュじゃないソーセージサンドと、最後に出てきたハムとチーズのフレンチトーストですけどね。
クリスマスには「祝福のサンドイッチケーキ」でも作ってみようかしら。

北欧生まれのおもてなしサンドイッチ ケーキイッチ

私は生まれも育ちも大阪市内なので、馴染みのある地名が出てくるたびに嬉しく思い、界隈の風景も目に浮かぶようで、読んでいてすごく楽しかったです。
靭公園に行けばピクニック・バスケットが本当にあるんじゃないかと、一瞬思ってしまいました。
姉妹が作るサンドイッチ、食べてみたいものです。

「青い花火」のキューカンバ―サンドは、私も初めてキュウリだけのサンドイッチを食べたとき、「こんなに美味しいの!?」と感動したことを思い出して、懐かしくなりました。
兵庫県宝塚市にあるサンドイッチ店「ルマン」のキューカンバーサンド(商品名は「野菜サンド」だったかな?)、おススメですよ(^^)


ところで、蕗ちゃんと川端さんの恋模様や、笹ちゃんと津田さんの切なくも前向きな決断に心温まりながらも、やっぱり姉妹の結びつきって強いんだなーとウルウルしたのですが……
笹ちゃんと蕗ちゃんって血がつながってないの?!最後の方でいきなり明らかになって驚きました。
いや、あの二人の絆がどれほどのものかは、物語とサンドイッチから十分に伝わってきていたから、それはほんの些細なことなんだけど。
著者のプロフィールを読んだところ、どうやらこの本は『めぐり逢いサンドイッチ』の続編のようなので、前作を読めば分かるかな?
笹ちゃん蕗ちゃん姉妹の優しさや情熱が詰まったサンドイッチに、たくさん心の栄養をもらえた一冊でした。



にほんブログ村 本ブログ 読書備忘録へ にほんブログ村



このブログの人気の投稿

【文庫本】阿部智里(2014)『烏に単は似合わない』文藝春秋

【文庫本】小学館文庫編集部編(2021)『超短編!大どんでん返し』小学館

【単行本】伊吹有喜(2018)『天の花:なでし子物語』ポプラ社