【単行本】シェイクスピア作,エドマンド・デュラック絵(1994)『テンペスト』(伊東杏里訳)新書館



※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。

作品情報

原作:ウィリアム・シェイクスピア
挿絵:エドマンド・デュラック
訳者:伊東杏里
発行年月日:1994年9月15日
出版社:新書館
弟に追放された老いた国王と美しい姫が、魔法の島で再び仇敵とめぐり合い、妖精たちの協力によって、和解しついに結婚。やがて嵐のあとの穏やかな海を順風にのって帰帆します。老国王の魔術、若者たちのロマンス、妖精エアリエルの活躍……。シェイクスピアの代表作をデュラックの夢幻的な色彩がひきたてます。カラー絵32点。解説/荒俣宏。 (Amazon.com より引用)




感想

★★☆☆☆
図書館本

絶テン繋がりで読んでみましたが……
『ハムレット』を読んだ後だからか、なんだか物足りない感じ。
私が借りてきたこの本は児童書らしいので、そのせいかな?
その割には挿絵がどれも暗い雰囲気のものばかりで、あまり児童書っぽくはなかったけど。

この『テンペスト』って復讐モノかと思っていたけど、赦しの物語なのね。
私は主人公の老国王・プロスペローこそ嫌なヤツだと思って読んでいたので、彼が正義の人のように描かれることにモヤモヤしました。
今とは価値観が違うとは言え、エアリエルや島の怪物たちへの態度も酷いものだったし。
弟の奸計により王位を奪われるという点では『ハムレット』と同じだけど、あちらの王様は立派な人だったのに対して、プロスペローは妖しげな魔術の研究にかかりきりで、国事は弟に任せきりだったわけだしなー。
アントーニオが復讐されなきゃいけないほど悪い人物だとは思えず、プロスペローに全く感情移入できなかったので、素直に楽しめなかったです。
まあそれでも、憎むより赦すほうが難しいでしょうから、最後は彼のことを少し見直しました。



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