【文庫本】アガサ・クリスティー(2004)『バートラム・ホテルにて』(クリスティー文庫44)乾信一郎訳,早川書房



※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。

作品情報

著者:アガサ・クリスティー
訳者:乾信一郎
発行年月日:2004年7月15日
出版社:早川書房
大都会ロンドンの一画に、エドワード王朝時代そのままのたたずまいを保つバートラム・ホテル。だが、その平和で静穏なムードの裏でも、事件の影はうごめいていたのだ。常連客の牧師が謎めいた失踪をとげ、やがて霧の夜、恐るべき殺人事件が!ホテルで休暇を過ごしていたミス・マープルが暴く、驚愕の真実とは。 (Amazon.com より引用)




感想

★★☆☆☆
図書館本

『イギリスのお菓子とごちそう』で見た「ほんもののシード・ケーキ」に惹かれて読んでみました。
シード・ケーキは物語の本筋には何の関係もなかったんですけどね。


私、ミス・マープルものって初めて読んだんですけど……
安楽椅子探偵というよりただの証言者じゃ???
っていうくらい彼女の活躍シーンが少なくて、ちょっと呆気ない思いでした。
むしろ「おやじさん」ことデイビー主任警部の方が探偵役だったような?

あと、物語としても盛り上がりに欠けたかな。
貴族のお屋敷のような高級ホテル「バートラム・ホテル」の常連客・ペニファザー牧師の失踪事件をきっかけに話は展開するわけですが……
殺されたと思っていたペニファザー牧師は生きていたし、あらすじにある霧の夜の恐ろしい殺人事件が起きるのは終盤に差し掛かったところだし。
高級ホテルの陰に渦巻く犯罪組織の陰謀っていうのは面白かったけど、そこに至るまでが退屈で(^^;)

列車強盗だとかホテルぐるみの犯罪だとか、映像で見たら面白いかもな~とは思いましたが。

バートラム・ホテルにて1



でも、この物語のまさに「舞台装置」であったバートラム・ホテルの描写は魅力的でした。
エドワード王朝時代のような豪華な調度品に囲まれて、称号持ちの婦人たちが優雅にアフタヌーンティーを楽しんでいる姿が目に浮かぶよう!



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↓アガサ・クリスティー関連の本をご紹介♪
アガサ・クリスティー『バートラム・ホテルにて』(クリスティー文庫44)
アガサ・クリスティー『そして誰もいなくなった』(クリスティー文庫80)

アガサ・クリスティー原作,マイケル・モートン脚本『アリバイ』(海外ミステリ叢書「奇想天外の本棚)
北野佐久子(2019)『イギリスのお菓子とごちそう―アガサ・クリスティーの食卓』






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