【単行本】松井今朝子(2011)『吉原十二月』幻冬舎



※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。

作品情報

著者:松井今朝子
発行年月日:2011年1月15日
出版社:幻冬舎
大籬・舞鶴屋に売られてきた、容貌も気性もまったく違う、ふたりの少女。幼い頃から互いを意識し、妓楼を二分するほど激しく競り合いながら成長していく。多くの者が病に斃れ、あるいは自害、心中する廓。生きて出ることさえ難しいと言われる苦界で大輪の花を咲かせ、幸せを掴むのはどちらか。四季風俗を織り込んだ、絢爛たる吉原絵巻! (Amazon.com より引用)




感想

★★★★☆
図書館本

『吉原手引草』が面白かったので読んでみました。
こちらも面白くて一気読み!
(終盤の唐突なミステリー要素はない方が良かったと思うけど。)

本作の語り手は舞鶴屋の四代目庄右衛門ということで、『手引草』の楼主のお父さん……ですよね?
前作への繋がりも感じられて大いに楽しめました(^^)

『手引草』の葛城花魁も素敵だったけど、私は今作の小夜衣太夫がすごく好きだな~~!
四代目は小夜衣と胡蝶を相対する一対として語っていたけれど、終始、小夜衣の方が一枚も二枚も上手だったように感じました。
お職の花魁らしい﨟長けた風情としたたかな面を併せ持ち、それでいて心の清らかな小夜衣に私はもう魅了されっぱなし!
本心では何を考えているか分からない、掴みどころのない不思議な魅力は、遊女の手練手管というよりは天性のものでしょう。
浮世離れした彼女の美しさに、ぼーっとなりながら読んでいました(笑)

それに比べて胡蝶のお子ちゃまなこと……!
まあ実際子どもだし、胡蝶の素直で跳ねっ返りなところも可愛かったけど。
藤五様、いい人だったなあ(涙)

最後は二人とも幸せそうで良かったです。



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