【単行本】ロバート・キヨサキ,シャロン・レクター(2001)『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラントー経済的自由があなたのものになる』(白根美保子訳)筑摩書房



※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。

作品情報

著者:ロバート・キヨサキ、シャロン・レクター
訳者:白根美保子
発行年月日:2001年6月25日
出版社:筑摩書房
従業員、ビジネスオーナー、自営業者、投資家、4つの生き方を決める価値観の違いとは?起業家として成功するにはどうしたらいい?答えはこの本のなかにある。 (Amazon.com より引用)




感想

★★★★☆
図書館本

『金持ち父さん貧乏父さん』の、いわば続編といえる本です。
根本的には前作と同じで、書かれているのは、ファイナンシャル・インテリジェンスを身につけて貧乏から抜け出そう!ということなので、やや冗長ではあったかな。
でも有益な一冊だと思いました!

タイトルの「クワドラント(quadrant)」は、「四分円」「円の4分の1」の意味で、この本でいうクワドラントは、ビジネスの世界を形作る人間を4つのタイプに分類したもののこと。
すなわち、給料が主な収入源である「従業員(Employee)」、自分自身が雇い主である「自営業者(Self-employed)」、自分のビジネスを持つ「ビジネスオーナー(Business owner)」、お金を働かせる「投資家(Investor)」の4つ。
このうち、Eクワドラントの従業員と、Sクワドラントの自営業者は、お金のために働かされる人生を送っていて損するだけだから、早くBクワドラントのビジネスオーナー、あるいはIクワドラントの投資家になって経済的自由を手に入れましょう、というのが筆者の提言。
うんうん。搾取され続ける人生なんてごめんだわ。

筆者が受講した目標設定の講座のエピソードは、本当に為になりました。特に投資についての話。
「株や投資信託を買えば金持ちになれると思っている人はたくさんいます。でも、ただ株や投資信託、不動産、社債・国債を買ったところで金持ちにはなれません。プロの投資家たちがやっているのと同じことをやるだけでは、経済的な成功は得られません。負け犬の思考構造を持っている人は、どんな株、投資信託、不動産を買おうと負けるに決まっています」
ああ、耳が痛い(^^;)笑

筆者曰く、安全第一は論理的考え方ではない、感情的な考え方だ、とのこと。
なぜなら、それは恐怖という感情によって左右されているから。

もう目から鱗が落ちる思いでした。
リスクを回避するという行為は、自分の頭で考えて行うことではなく、ただ感情に動かされているだけだと言うのですから。

BやIに所属するお金持ちたちはこういうとき、リスクを回避するのではなく、リスクをコントロールしようとするらしい。
それはつまり、負けることを恐れないということ。
経済的自由への第一歩は、感情的な考え方をコントロールできるようになることなのか。ふむふむ。

……これって、お金以外のことにも当てはまりますよね。
あのとき勇気を出してああしていれば、こうしていれば、って後悔したことが何度もありますから。
自分が進むべき道を決める、なりたい自分になるためのきっかけをもらった気がします。



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↓「金持ち父さんシリーズ」感想
『<改訂版>金持ち父さん貧乏父さん―アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学』
『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント―経済的自由があなたのものになる』
『金持ち父さんのお金を自分のために働かせる方法』






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