【単行本】椰月美智子(2020)『純喫茶パオーン』角川春樹事務所


※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。

作品情報

著者:椰月美智子
発行年月日:2020年8月18日
出版社:角川春樹事務所
創業50年(おおよそ)の喫茶店「純喫茶パオーン」。トレイを持つ手がいつも小刻みに震えているのに、グラスにたっぷり、表面張力ギリギリで運ぶ「おじいちゃんの特製ミルクセーキ」と、どんなにお腹がいっぱいでも食べたくなっちゃう「おばあちゃんの魔法のナポリタン」が看板メニューだ。その店主の孫である「ぼく」が小学5年・中学1年・大学1年の頃にそれぞれ出会う不思議な事件と、人生のちょっとした真実。 (Amazon.com より引用)



感想

★★★★☆
図書館本

主人公の祖父母が営む喫茶店を舞台に、主人公・来人と友人たちが繰り広げる青春物語。
喫茶店が舞台という点と、優しい色合いの可愛らしい表紙から、『めぐり逢いサンドイッチ』みたいなほっこり感動モノかと思って読み始めたんですけど、ほのぼのしつつも毒気を含んでいたり、どたばたコメディー要素があったりと、また違った感じの魅力があるお話でした。

小5だった来人たちが中学生、大学生になるまでに喫茶店で起きた不思議な事件を通して、彼らの成長(…してるのだろうか?笑)が描かれるのですが、大学生になっても小学生時代の友情が続いてるのって素敵!
舞台となる「純喫茶パオーン」も、来人が「間違えてもカフェなんて言っちゃいけない」と言う通り、レトロな雰囲気が漂っていて惹かれます。
何より、おばあちゃんが作るナポリタンやオムライスが美味しそう!おじいちゃんの淹れるコーヒーも絶対美味しいだろうなあ。

いわゆる喫茶店って子どものころは親に連れられて行った記憶があるんですけど、最近は行くことないですねー。
そういえば私、ミルクセーキも飲んだことないな。お店でも見かけない気がする。
近所に一軒、昔ながらの喫茶店があるけど、なんだか入りにくいんですよね。でも今度行ってみようかな。

来人のお父さんとおじいちゃんが不仲な理由が明らかにならないままだったり、ゆりちゃんがLGBTという設定が活かされていない点が不満だったりするけど、最後は大団円で良かった良かった(^^)


にほんブログ村 本ブログ 読書備忘録へ にほんブログ村




このブログの人気の投稿

【文庫本】阿部智里(2014)『烏に単は似合わない』文藝春秋

【文庫本】小学館文庫編集部編(2021)『超短編!大どんでん返し』小学館

【単行本】伊吹有喜(2018)『天の花:なでし子物語』ポプラ社