【単行本】岩本沙弓(2009)『為替と株価でわかる景気の大原則』翔泳社



※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。

作品情報

著者:岩本沙弓
発行年月日:2009年12月14日
出版社:翔泳社
不況下で世界中が損しているわけではない―?一般の人々、企業、機関投資家、金融機関、そして国、それぞれの立場からの経済事象を検証して、景気の正体をつかみましょう。「為替」と「株価」を通して見えてくる、「景気」の大原則。 (Amazon.com より引用)




感想

★★★★★
図書館本

もう10年以上前に書かれた本だけど、投資初心者の私にとっては、とっても為になる本でした!
金融用語もかなり分かりやすく説明してくれています。
景気と相場の関係だとか、為替レートが企業に与える影響の大きさなど、なんとなく理解していたようで、実は全然理解できていなかったということに、改めて気づかされました。

中でも「サブプライム・ローン問題」と、それを促したアメリカの住宅ローンのシステムについては、すごく勉強になりました。
「金持ち父さんシリーズ」を読んで、なんでアメリカ人はお金持ちも貧乏人も、住宅ローンを組みまくって次々と家を買い替えるのか不思議で仕方なかったんですよ。
だって、不動産価格の上昇が前提にあるとは言え、ローンの支払いができなくなったら、家を失ったあげく、下手したら借金だけが残る可能性だって高いじゃないですか。

でも、この本でノンリコース・ローンの存在を知って、その謎が解けました。
アメリカでは、ローンの返済ができなくなれば、担保である住宅を手放せば、残った借金もなくなるんですって。
そりゃあ家を買うこと、借金することに躊躇いもなくなりますわ。

それから、長らく続く日本の低金利についても、興味深く読みました。
借金気質のアメリカ人ならともかく、貯蓄気質の日本人にとっては不況時の低金利政策は効果がない。だったらいっそのこと国内金利を引き上げてみては?という著者の意見には膝を打つ思いでした。
考えてみれば私はこれまで、金利が上がれば住宅ローンなどで庶民の生活は圧迫されてしまう、と思い込まされていたのかも?

資本主義経済の中で生きている以上、私たちは自分の生活を守るためにも、金融や経済の状況をちゃんと見極める目を持たなくてはいけませんね。



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