【文庫本】菊池仁編(2020)『朝日文庫時代小説アンソロジー:江戸旨いもの尽くし』朝日新聞出版
※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。
作品情報
編著:菊池仁著者:今井絵美子、宇江佐真理、梶よう子、北原亞以子、坂井希久子、平岩弓枝、村上元三
発行年月日:2020年10月30日
出版社:朝日新聞出版
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感想
★★☆☆☆図書館本
図書館の人気ランキングに入っていたか何かで、内容は知らないままタイトルに惹かれて借りてきた本なんですけど……。
この本に収録されているお話って、ほぼほぼシリーズものの一部だったんですね。
私、アンソロジーというものにろくに触れたことがないのでこれが普通のことか分からないんですけど、シリーズものから一部だけ抜粋されてもイマイチ物語に入り込めないというか(^^;)
もちろん作品の前後を知らなくても楽しめるようにはなっていましたが、「結局あの人どうなったの?」とか「あのシーンには何の意味が?」とか、疑問を抱いたままになってスッキリはしなかったです。
小説に出てくる料理はどれも美味しそうで、調理の音や湯気、料理の匂いまで感じられそう!まるで自分も料理屋のお客になって、登場人物たちの会話を聞いているかのような気分を味わえました。
「こはだの鮓」は、一人の男がこはだ鮓をただ美味しそうに食べているだけで、そこから何か物語が始まるわけでもないというのに妙に惹きつけられたなあ。食への好奇心が生き生きとした文章で綴られていて面白かったです。
「鰯三昧」、「六花」はまさに料理が人と人を繋いで物語を豊かに彩っていて、読んでいる私の心をじんわりと温めてくれました。
ほんわか系の作品が多い中で、「蜘蛛の糸」は切なかった。
縁がないってのは、そんなものさ
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