【単行本】夏山かほる(2021)『源氏五十五帖』日経BP、日本経済新聞出版本部
※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。
作品情報
著者:源氏五十五帖発行年月日:2021年2月10日
出版社:日経BP、日本経済新聞出版本部
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感想
★★☆☆☆図書館本
『更級日記』の作者・菅原孝標女と、紫式部の娘・大弐三位が、幻の『源氏物語』五十五帖をめぐる陰謀に巻き込まれ、その謎を解き明かす旅に出るというのはミステリーとしては面白かったし、結末も爽やかで良かったと思う。
けど、肝心の五十五帖の中身が……(´;ω;`)
『源氏物語』最後の巻が、光源氏が皇位を奪うために大元師の法(帝のみに許される鎮護国家や怨敵調伏などを祈る呪法)を修した後悔の物語だなんてツマラン!
あの内容なら、孝標女が疑問を覚えたようにそれまでの五十四帖とは趣きが全然違うわけだから、単に、紫式部は思いつきで書いてはみたけど出来が気に入らなくてボツにしただけじゃないの?と思ってしまった(汗)
そもそも、一条帝の罪の告白を紫式部が聞いてしまったとする根拠が紫色の衣だけってちょっと弱いような……?
源氏ファンとしてはちょっといただけない五十五帖でした。
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