【単行本】谷崎潤一郎+マツオヒロミ(2020)『秘密』立東舎
作品情報
著者:谷崎潤一郎絵:マツオヒロミ
発行年月日:2020年9月25日
出版社:立東舎
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感想
★★★★★図書館本
『山月記』と同じ、「乙女の本棚」シリーズの作品。
マツオヒロミさんのT女が美しい……。
この妖艶な美女の秘密が暴かれていく過程は、ミステリー小説を読んでいるようでドキドキしました。
謎がすっかり解けてしまい興ざめした主人公の、「私はそれきりその女を捨てた」という身勝手さに呆れつつも、妙に共感してしまったり。
女は秘密を着飾って美しくなるものなのね……って、これはコナンでしたっけ?(^^;)笑
「小説としても画集としても楽しめる」という謳い文句の通り、ゾクゾクするほど美しい絵の数々!
どの絵も妖しげな色気があって、谷崎の耽美が漂う文章と相まって、謎めいた『秘密』の世界に引き込まれました。
「私の心はだんだん『秘密』などと云う手ぬるい淡い快感に満足しなくなって、もッと色彩の濃い、血だらけな歓楽を求めるように傾いて行った。」というラストは不穏ですね。
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↓「乙女の本棚シリーズ」感想
第 4弾 梶井基次郎+げみ『檸檬』
第15弾 中島敦+ねこ助『山月記』
第16弾 谷崎潤一郎+マツオヒロミ『秘密』