【文庫本】ドイル(1992)『シャーロック・ホームズ傑作選』(中田耕治訳)集英社


※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。

作品情報

著者:ドイル
訳者:中田耕治
発行年月日:1992年11月25日
出版社:集英社
ミステリー界のスーパースター、シャーロック・ホームズ。ロンドンを舞台に鮮やかな推理力と機敏な行動力で難事件を次々と解決する。赤毛の男を募集する、という新聞広告の謎を追う「赤毛連盟」、自ら生命の危険をおかし、真相に迫る「まだらの紐」など、6つの怪事件に挑む名探偵ホームズの大冒険。 (Amazon.com より引用)


感想

★★★☆☆
図書館本

名探偵と言えばシャーロック・ホームズの名前を挙げる人は多いのでは?
私もその一人です。
だって子どものころ『名探偵コナン』にハマっていた私にとっては、新一が心酔する名探偵ですもの♪

でもコナン・ドイルの小説はろくに読んだことがなくて(;^ω^)
そんな私なので、ホームズ入門書としてこの傑作選を読んでみました。

収録されているのは
「ボヘミア王家のスキャンダル」
「赤毛連盟」
「花婿の正体」
「五つぶのオレンジの種」
「ゆがんだ唇の男」
「まだらの紐」
の6作。

短編だからか、昔の作品だからか、どの作品もずいぶんあっさりだな~という印象でした。
人物を一目見ただけで職業や私生活をズバズバ言い当てるのなんて、こじつけやないか!とツッコミを入れたくなりましたし(笑)
けど同時に、ストーリーがテンポよく進むし、何よりホームズとワトスンのキャラクターが面白くて、サクサク読めて楽しかったです。

傑作選というだけあってどれも面白かったけど、私は「赤毛連盟」が一番好みに合いました。
赤毛紳士のために結成されたという連名の謎を追っていたのが、銀行強盗にたどり着くという鮮やかさ!
シンプルだけど奇想天外でもあり、傑作といわれるのも納得の面白さでした。

「五つぶのオレンジの種」ではホームズもワトスンもKKKを知らなくて、ドイルの時代にはさほど知られてなかったのか~と不思議な気持ち。
(『風と共に去りぬ』にもKKKが出てくるけど、オレンジの種なんて送ってたっけ?時代とともに変わったのか?)

「まだらの紐」は「紐」に「バンド」とルビが振ってあったけど、日本人の私としては、一度「紐」という漢字を見てしまうと「ひも」としか読めなくて( ̄▽ ̄)
だから、ホームズたちがまだらの「バンド」をジプシーの「一団バンド」だと誤解するのがピンとこなくてですね。
イマイチ入り込めなかった作品です。

黒執事 Book of Murder 上巻

そういえばこの話は『黒執事』ファントムハイヴ邸連続殺人事件編の元ネタですよね。そういう意味では興味深く読みました。



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