【単行本】いずみ朔庵(2016)『マンガで辿る江戸時代の暮らしと遊び―財布でひも解く江戸あんない』誠文堂新光社

※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。

作品情報

著者:いずみ朔庵
発行年月日:2016年6月20日
出版社:誠文堂新光社
もし、あなたが江戸時代の住人だったら、どんな人になって、何をやってみたいでしょう?本書では、街遊びや食事など、現代人が「江戸でやってみたい事」を想定し、どんな事にいくらかかるのかをで紹介。今より安い、今より高いなど、ストーリーマンガと合わせて楽しみながら学べるエンターティンメント江戸本。江戸時代関連の挿絵やイラストを多数手掛ける著者がマンガとイラスト、文章を手がけ、江戸の文化、娯楽、生活などなど、お金の面から浮かび上がってくる意外な事実を面白おかしく紐解いていきます。絵で見て、読んで追体験!表舞台の歴史資料には記されない、江戸庶民の暮らしぶりが住んでいるようにわかる! (Amazon.com より引用)


感想

★★★☆☆
図書館本

「江戸時代に生まれたかったな、と思うことがありますか?」
「ないですね。だってコンビニもネットもないし、不便じゃないですか」

でも、旅行気分でショートステイならしてみたい。



著者の気持ち、よく分かるわ~~!
私も一日だけなら江戸旅行してみたいな、なんて妄想したりすることがあります。 この本を読んだら、一日ですら耐えられないかも……と思い直しましたが(笑)

この本は、もし現代人が江戸時代にタイムトラベルしたら?という設定で、「お金」の視点から江戸時代の人々の生活を紹介してくれています。
時代劇や歴史小説には、よく「一両」とか「一文」とか江戸時代のお金が出てきますが、正直どれくらいの価値があるのかよく分かっていない私。
小判に四文銭、一分銀、二朱金やら、貨幣の種類が多いし、江戸時代って長いから、江戸前期と幕末のころでもレートが違うと言うし。
そこを理解できたら、江戸を舞台にしたドラマや小説ももっと楽しめるんじゃないかと思ってこの本を手に取ってみたわけですが……

とにかく江戸のお金ってややこしい!
江戸時代は金・銀・銭というそれぞれ価値の異なるお金が流通していて、それを両替して使用していた、というのは確かに学校でも習った通り。
でも、そんなの武士とか商人とか、ごく一部のお金持ちのやることだと思っていたら、どうやら庶民の生活も両替なしには成り立たないらしい。
しかも地域や店によって使える貨幣が限定されていたり……
江戸の金・銀・銭の関係性は、私たちが海外旅行する際の「日本円」「現地貨幣」「ドルまたはユーロ」の関係性に似ている、という説明には膝を打つ思いでした!

高級料亭「八百善」のお茶漬け逸話は面白かったなあ。
調べてみると、八百善は実店舗こそないものの、現在も事業を続けているのだとか。

江戸料理大全: 将軍も愛した当代一の老舗料亭 300年受け継がれる八百善の献立、調理技術から歴史まで

一両二分(12万円)のお茶漬け、食べてみたいものです。



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