【文庫本】篠綾子(2015)『在原業平歌解き譚 月蝕』小学館
※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。
作品情報
著者:篠綾子発行年月日:2015年12月13日
出版社:小学館
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感想
★★★☆☆購入本
和歌×ミステリー、面白かった!
子ども向けの小説なのかな。軽い感じの文章で、サラサラ〜と読めました。
「歌解き譚」の副題通り、和歌がカギになっているのが面白かったです。
後半は相棒役の陰陽師がしゃしゃり出てきて、陰陽術で敵と戦ったり、なんだかSFっぽくなってしまって残念でしたが(^_^;)
ちょっぴりおませな、でも聡明な惟喬親王がとにかく可愛かったです!
主人公の業平よりも、ちびっこ若宮さまの成長ぶりを頼もしく思いながら読んでいました。
業平と高子といえば『伊勢物語』の「芥川」の段ですよね。
高子って草の上の露を見て「かれは何ぞ」と言う純真で可憐な姫君のイメージだったので、この本の高飛車な少女はイメージと違ってなんだかなーって感じ。
まあ、晩年の彼女のイメージには合ってる気もする。
業平も、色好みの風流人で、政の駆け引きとは無縁の人物かと思いきや、自分から政権争いに首を突っ込むとは……意外でした。
あと、香澄は絶対男だと思ってたのにー(笑)
ところで、折句って粋ですよね!
「かきつばた」の歌を初めて知ったときは、「おぉーっ」と感動しましたもの。
私は『徒然草』に出てくる「米たまへ、銭も欲し」の歌が好き(笑)
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