【文庫本】井上靖(2021)『利休の死―戦国時代小説集』中央公論新社

※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。

作品情報

著者:井上靖
発行年月日:2021年1月25日
出版社:中央公論新社
天正十年(一五八二)、武田が滅び、信長は本能寺で倒れ、それに代わった光秀が討たれ、天下は秀吉の手中へと動き出す――。桶狭間の戦い(一五六〇)から天目山の戦い、利休の死(九一)まで戦国乱世の三十年を十一篇の短篇で描く。出来事の年代順に編集した文庫オリジナル小説集。〈解説〉末國善己 (Amazon.com より引用)

感想

★★★☆☆
図書館本

返却期限に追われて慌てて読んだので、後半の作品になるにつれて流し読みに(^^;)
でも後半の作品ほど私には面白くて、引き込まれましたよ~!
表題作の「利休の死」は特に、うまく表現できなくてもどかしいんですが、静謐で美しい物語だと感じました。

井上靖作品は『風林火山』しか読んだことなくて。
そのときも感じたことですが、この本の作品も文章が端正で、それでいて情熱もあって、味わい深い物語ばかりでした。

松永久秀の「平蜘蛛の釜」への執着は恐れ入ったなあ。
お姫さま好きだし、『風林火山』の影響で武田家贔屓なので、「信松尼記」はしんみりと胸に染みるものがありました。
運命に翻弄された女性という点では、「信康自刃」「佐治与九郎覚書」も好き。



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