実家じまいに悩む全ての人へ――高殿円『私の実家が売れません!』

ダンナの両親に読ませたい~~!

郊外築75年、大量のガラクタ、恐怖の再建築不可物件……。
残された実家は超問題だらけ!!
笑いと涙、前代未聞の実家じまい本!

維持費に相続手続き、片付けに親族問題、税金対策に売却まで、いま話題の”実家じまい”問題にドラマ&漫画化多数の人気作家・高殿円氏が挑み、リアルな実体験を綴ります。
親戚トラブルの回避、税金に相続問題、長年放置している家財の片づけ方、不動産仲介業者に断られた物件を意外な場所で売る方法まで……。
不動産の専門家による解説を収録し、楽しく読めながら自然と実践的な知識も身に付きます。
笑えて泣けて、知識もつく、超お得な1冊!”実家じまい”のお悩みを全解決する、ページをめくる手が止まらなくなる新感覚の人情派「実家じまい」エッセイです。 (Amazon.com より引用)

作品情報

『私の実家が売れません!』

著者:高殿円
発行年月日:2024年7月19日
出版社:エクスナレッジ

感想

★★★☆☆
図書館本

実家じまいに関するドタバタ劇かな?くらいの軽い気持ちで読み始めたけど、ページをめくるごとに親子関係の難しさや老いとの向き合い方、世代をまたぐ価値観のズレみたいな、より深いテーマが浮かび上がってきて、いずれ自分の身にも起こり得る話なんだなーと思うと、ちょっと気が重くなったり。
今はまだ私の親も夫の親も元気だから、つい相続や家の処分に関する話は避けてしまいがちだけれど、実際にそのときが来てから著者のように右往左往しても遅いわけで。
むしろ親が生きている今だからこそ、一緒に向き合って話し合っておくべきなんだと、切実に感じさせられました。

正直言うと、私は「実家じまい」といった言葉を、自分にはまだ関係のないものだと心のどこかで思っていました。でも、私もいつの間にかそういうことと無関係ではいられない年齢になっている。この本はまるで未来の自分が経験するであろうドタバタを、ちょっとだけ先回りして見せてくれたようでした。
(実際、夫の祖父が田舎に持っている土地がややこしいことになっているみたいで。なのに義両親は解決する気ゼロっぽい。)

とにかく著者の行動力が素晴らしいです。
私みたいな問題先送りタイプの人間は彼女を見習わなければいけませんね。ホント、問題から目を背けていても、何も解決しないわけですから。
それから、語り口もすごく心地よかったです。テーマは深刻だけど、テンポよくユーモラス。著者に背中を押してもらったような気がします。



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