【文庫本】円堂豆子(2020)『雲神様の箱』KADOKAWA



※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。

作品情報

著者:円堂豆子
発行年月日:2020年1月25日
出版社:KADOKAWA
薬毒に長け、どの地の支配も受けず霊山を移り住む古の民、土雲族。一族の少女・セイレンはある日、『山をおり、雄日子という若王の守り人となれ』と里を追い出される。双子の妹という出自ゆえ「災いの子」とされてきた彼女は、本来求められた姉媛の身代わりにされたのだ。怒りと孤独を抱え飛び出すが、類い稀な技を持つ彼女と、大王への叛逆を目論む雄日子の予期せぬ邂逅は、倭国の運命を変えることとなるのだった…!第4回カクヨムWeb小説コンテストキャラクター文芸部門特別賞受賞作品。 (Amazon.comより引用)




感想

★★☆☆☆
購入本

古代日本が舞台で、双子の妹として生まれたがゆえに一族から忌み嫌われた少女と、大王を討伐せんと旅する若王をめぐるストーリー。
しかも「災いの子」と呼ばれた妹が、「聖なる媛」たる姉媛の身代わりになるなんて……!!

歴史モノ好きだし、面白そうな話だなー、と思って読み始めてみたのですが。

そういや私、自ら武器を持って戦うお姫さまって好きじゃないんだった( ̄▽ ̄;)
本作のヒロイン・セイレンは、幼いころから男たちと同じように武術の稽古や狩りをして育っているし、雄日子の「守り人」になるのだから戦うのは当然なのだけど。

もともと私は、男勝りなヒロインが苦手なうえに、セイレンったら大事な一族の秘密もぺらぺら喋るもんだから、迂闊すぎない!?と呆れてしまって(^^;)
大地の神の裔たる一族の娘なら、もうちょっと賢さ、神々しさを添えたいところ。

……そんなわけで、本作のヒロイン・セイレンに魅力を感じなくて、途中ちょっと流し読み。
あと、物語の設定とか登場人物の心情とかが、ほぼ地の文で説明されているように思えて、文章が単調というか、あまりワクワクしないなーと思いながら読んでいました。

でもストーリー自体は面白かったです。
故郷を追い出された少女と、大王を目指す才気あふれる若王の成長物語って、それだけで胸がアツくなりますし。

帯には「異能の少女と正義の若王の出会いと壮大な旅!!!」と書かれていたけど、あの終わり方だとセイレンと雄日子の旅はこれから、ですよね。
伏線も張りっぱなしだし、続編ありきって感じ。

続きが出たとして、買ってまで読むかは微妙かな。
でも、セイレンは美貌らしいので、彼女と瓜二つという姉の石媛には興味津々。(美しく可憐なお姫さまは大好き♪)
セイレンは石媛のことを愚鈍な姉と侮っているようだけど、雄日子の言うことを信じるなら、どうもそうではなさそうよね。
石媛と雄日子の間に何があったかも気になるし。

なんだかんだで楽しませてもらった本でした。



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