【文庫本】山川三千子(2016)『女官 明治宮中出仕の記』講談社
※当ブログの記事は全てネタバレ前提で書いていますのでご注意ください。
作品情報
著者:山川三千子発行年月日:2016年7月11日
出版社:講談社
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感想
★★★★★購入本
これね、もうすーっごく面白かった!一気読み!
いつだったか、書店でぶらぶらしていたときに、表紙の、おすべらかし・袿姿の女性の写真が目について手に取った本。
(でも表紙の写真は筆者ではなく大正天皇の生母・柳原愛子さん)
実際に明治天皇にお仕えした女官の手記だなんて興味津々です。
文庫本なのに1,000円超えていて「高っ!」と思ったけど、買って良かったです!
女官の採用試験から局での生活、同僚や先輩女官に対する愚痴、年中行事の様子もわかり、明治宮廷版・紫式部日記って感じ?
筆者は美人だったらしく、さりげなくモテエピソードを入れてきたり、そんなところも女性が書いたものだなーと思わされますね(笑)
お仕えした明治天皇・昭憲皇太后の等身大の姿も事細かに書かれていて、とても恐れ多いことだけど、両陛下や明治宮廷を身近に感じることができました。
上で『紫式部日記』みたいと書きましたが、明治時代といえば今からたった(?)百数年前のことなのに、宮中生活に関しては、現代よりも、千年も前の平安時代の方が明治の宮廷に近い気がします。
……って、もちろん現代の宮中のことだって私には知る由もないので、勝手なイメージですが(^^;)
でも、明治宮廷では家族でも普段は別々に暮らしていて、公式のとき以外に一家で集まることはなかったというから、きっと今の皇室とは全く違いますよね。
明治宮廷では、食事の際も天皇・皇后は別々のテーブルで食べ、一つの食卓を囲むことはなかったそうな。
高貴な方々は決まり事だらけで大変そうです。
とはいえ、両陛下とも思いやりがあって朗らかなご性格で、周りはいつも和気あいあいとしていたようなので、決して窮屈なばかりの生活を送っていたわけではないようですが。
筆者が休暇のとき、徳川実枝子さんの振袖を借りて帝劇に行ったエピソードが面白かった!
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